「PCB製造:Elecrow」の版間の差分

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 +
<blockquote>
 +
基板製造用データは、次の2種類があります。
  
基板製造用データは、PCBを作るための資料と、実装依頼するための資料があります。
+
 ・PCBを作るための資料
  
== PCB製造用データ出力 ==
+
 ・実装依頼するための資料
<blockquote>KiCAD Ver6.0.5でElecrowにPCB製造を依頼する資料を作るには以下のようにします。</blockquote>
 
::{| class="wikitable"
 
|+PCB製造用データの出力方法
 
!Gerber出力
 
|●"ファイル"→"製造用出力"→"ガーバー(.gbr)"を開く。
 
  
::[[file:KiCAD-Pcbnew-SaveGerber.jpg|400px]]
+
ここでは KiCAD Ver6.0.5 を使用してPCBを作る所までを記載しています。
  
 +
[[PCB実装依頼:Elecrow|実装依頼するための資料はコチラ]]。
  
●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定する。
 
  
 "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。
 
  
●レイヤーは必要な個所にチェック。
+
予め回路図エディタ('''[[KiCAD:Eeschema|Eeschema]]''')で回路図を描き、PCBエディター([[KiCAD:Pcbnew|Pcbnew]])でPCBパターンの設計が完了した状態で
  
●他は下図の通りに設定する。
+
下記方法でデータを作り、基板メーカー(Elecow)に発送します。
 +
</blockquote>
  
 ※"ビアのテンティングを禁止"をチェックするとVIA直上のレジストがなくなる。
 
  
::[[file:KiCAD-Pcbnew-Gerber1.jpg|500px]]
+
== PCB製造用データ出力 ==
 +
<blockquote>
 +
KiCAD Ver6.0.5のでPCBエディター([[KiCAD:Pcbnew|Pcbnew]])で作ったデータを元に Elecrow にPCB製造を依頼する資料を作るためには以下のようにします。
  
  
 +
=== PCB製造用データの出力方法 ===
 +
<blockquote>
 +
==== Gerber出力 ====
 +
:●PCBエディター([[KiCAD:Pcbnew|Pcbnew]])を起動して完成しているPCBパターンデータを開きます。
 +
:●"ファイル"→"製造用出力"→"ガーバー(.gbr)"を開く。
  
●順にボタンを押す
+
::[[file:KiCAD-Pcbnew-SaveGerber.jpg|400px]]  <br />
 +
:●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定します。
 +
: "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。 
 +
:●レイヤーは必要な個所にチェック。 
 +
:●他は下図の通りに設定します。   
 +
::※"ビアのテンティングを禁止"をチェックするとVIA直上のレジストがなくなります。
  
  ①ボタン "製造ファイル出力":全レイヤの "~.gbr" が出力される。
+
::[[file:KiCAD-Pcbnew-Gerber1.jpg|500px]]  <br />
 +
:●ボタン "製造ファイル出力" をクリック:全レイヤの "~.gbr" が出力されます。
 
::{| class="wikitable"
 
::{| class="wikitable"
 
|(ファイル名)-B_Cu.gbl
 
|(ファイル名)-B_Cu.gbl
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|表面
 
|表面
 
|-
 
|-
|(ファイル名)-B_Edge_Cuts.gml  
+
|(ファイル名)-B_Edge_Cuts.gml
  
 
 
|外形
 
|外形
 
|-
 
|-
57行目: 65行目:
  
  
  ②ボタン ”ドリルファイルを生成” :次の画面へ移動する。
+
:●ボタン "ドリルファイルを生成" をクリック:次の画面へ移動します。
  
 +
==== Drill出力 ====
 +
:●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定します。
 +
: "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。
  
|-
 
!Drill出力
 
|●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定する。
 
 "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。
 
 
●他は下図の通りに設定する。
 
  
 +
:●他は下図の通りに設定します。
 
::[[file:KiCAD-Pcbnew-drill.jpg|400px]]
 
::[[file:KiCAD-Pcbnew-drill.jpg|400px]]
  
●順にボタンを押す
+
:●ボタン "ドリルファイルを生成"をクリック:ドリル座標データが出力されます。
 
 
  ①ボタン "ドリルファイルを生成":ドリル座標データが出力される。
 
 
 
 
::{| class="wikitable"
 
::{| class="wikitable"
 
|(ファイル名).drl
 
|(ファイル名).drl
 
|ドリル座標データ
 
|ドリル座標データ
|}
+
|} [[KiCAD:Gerbview|GrebView]]で確認できます。
 
 
  ②ボタン  "マップファイルを生成":マップファイル "~drl_map.gbr" が出力される。
 
  
 +
:●ボタン  "マップファイルを生成"をクリック:マップファイル "~drl_map.gbr" が出力されます。
 
::{| class="wikitable"
 
::{| class="wikitable"
 
|(ファイル名)-drl_map.gbr
 
|(ファイル名)-drl_map.gbr
 
|マップファイル (配置を可視化したもの)
 
|マップファイル (配置を可視化したもの)
|}
+
|} [[KiCAD:Gerbview|GrebView]]で確認できます。
 +
 
 +
::※ボタン "レポートファイルを生成"で出力されるファイルは提出する資料ではありません。
 +
 
  
 +
==== Map出力 ====
 +
:●"ファイル"→"製造用出力"→"部品配置ファイル(.pos)"を開く。
 +
::[[file:KiCAD-Pcbnew-SaveMap.jpg|400px|リンク=Special:FilePath/KiCAD-Pcbnew-SaveMap.jpg]]
 +
:●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定します。
 +
: "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。
 +
:●他は上図の通りに設定します。   
 +
:●ボタン "部品配置ファイルを生成" をクリック:"~.map" が出力されます。
  
※ボタン "レポートファイルを生成"で出力されるファイルは提出する資料ではない。
 
|-
 
!リネーム
 
|●ファイル名を実装業者指定の仕様に書き換える。
 
  
 +
==== リネーム ====
 +
●ファイル名を実装業者指定の仕様に書き換える。
 
::{| class="wikitable"
 
::{| class="wikitable"
!KiCAD出力ファイル名
+
!変更前:KiCAD出力ファイル名
!Elecrow指定ファイル名
+
!変更後:Elecrow指定ファイル名
 
|-
 
|-
|(ファイル名)-B_Cu.gbl
+
|(ファイル名)'''-B_Cu'''.gbl
  
(ファイル名)-B_Mask.gbs  
+
(ファイル名)'''-B_Mask'''.gbs  
  
(ファイル名)-B_Paste.gbp
+
(ファイル名)'''-B_Paste'''.gbp
  
(ファイル名)-B_Silkscreen.gbo  
+
(ファイル名)'''-B_Silkscreen'''.gbo  
  
(ファイル名)-B_Edge_Cuts.gml  
+
(ファイル名)'''-B_Edge_Cuts'''.gml  
  
(ファイル名)-F_Cu.gtl
+
(ファイル名)'''-F_Cu'''.gtl
  
(ファイル名)-F_Mask.gts  
+
(ファイル名)'''-F_Mask'''.gts  
  
(ファイル名)-F_Paste.gtp
+
(ファイル名)'''-F_Paste'''.gtp
  
(ファイル名)-F_Silkscreen.gto  
+
(ファイル名)'''-F_Silkscreen'''.gto  
  
 
(ファイル名).drl
 
(ファイル名).drl
  
(ファイル名)-drl_map.gbr
+
(ファイル名)'''-drl_map.gbr'''
 
|(ファイル名).gbl
 
|(ファイル名).gbl
  
136行目: 146行目:
 
(ファイル名).drl
 
(ファイル名).drl
  
(ファイル名).txt
+
(ファイル名).'''txt'''
  
 
|}
 
|}
147行目: 157行目:
 
::※~.**p:半田ペースト(メタルマスク、ステンシル)
 
::※~.**p:半田ペースト(メタルマスク、ステンシル)
 
::※~.**o:シルク
 
::※~.**o:シルク
::※~.gbr:ドリル
+
::※~.gbr :ドリル  |}
  
|-
 
!送信
 
|上記ファイルを全てまとめてzipで圧縮する。
 
  
  
基板製造依頼のWEBページ([https://www.elecrow.com/pcb-manufacturing.html?l=jp Elecrow]) から製作依頼をする時に、このZIPファイルを添付する。
+
上記ファイルを全てまとめてzipで圧縮します。
 +
</blockquote>
 +
</blockquote>
 +
 
 +
== PCB製造用データの送信(発注) ==
 +
<blockquote>
 +
PCB製造のみ依頼する場合、PCB製造依頼のWEBページから製作依頼をします。
 +
 
 +
https://www.elecrow.com/pcb-manufacturing.html?l=jp
 +
 
 +
その時にZIPファイルを添付できます。
 +
 
 +
 
 +
=== PCBの製作だけを依頼する場合 ===
 +
<blockquote>
 +
一般的な条件では下記のような入力内容になると思います。最初のボタン「ガーバーファイルを提供」でZIPを登録します。
 +
 
 +
[[file:PCB製造 Elecrow OrderForm2.jpg|border|750px]]
 +
 
 +
全部入力できたら右側にある "Add To Cart" でカートに入れます。ここの段階ではまだ発注されていません。
 +
 
 +
ユーザー登録が済んでない場合にはここでユーザー登録の画面に移ってユーザー登録をします。
 +
 
 +
 
 +
[[file:PCB製造 Elecrow OrderForm4.jpg|border|346px]]
 +
 
 +
ユーザ―登録済の場合、ここでログインします。→ID,Passを入力して "SIGN IN"
 +
 
 +
未登録の場合、ここで登録します。→"CREATE AN ACCOUNT"
 +
 
 +
[[file:PCB製造 Elecrow OrderForm5.jpg|border|374px]]
 +
 
 +
 
 +
ユーザー登録の画面です。名前・Email・passwordを入力し、"私はロボットではありません"にチェックを入れたら
 +
 
 +
"CREATE AN ACCOUNT" をクリックしてユーザー登録は完了なので、ログインして次の作業に移ります。
 +
 
 +
[[file:PCB製造 Elecrow OrderForm6.jpg|border|368px]]
  
|}
 
  
== 実装依頼用データ出力 ==
+
ログインできたら、カートの中身を確認して "Go To Checkout" で発注へ進みます。
::{| class="wikitable"
 
|+部品実装(PCBA)を依頼するためのデータ出力の方法
 
!購入方法
 
| colspan="2" |実装業者(Elecrow)に連絡して、実装する部品を購入する方法を決める。
 
選択肢①:依頼者が手配してElecrowに送り、実装してもらう。
 
  
選択肢②:Elecrowに購入してもらう。
+
[[file:PCB製造 Elecrow OrderForm3.jpg|border|800px]]
|①フロー(wave)実装する場合には全ての部品がPbFreeである事。
 
  
②何を何個どういう形態でどこから購入するかを相談する。
+
この後はPaypal/クレジットカード/銀行振り込みの中から送金方法を選んで手続きをして完了です。
  
 余った部品をどうするかも決める。
 
|-
 
!実装方法
 
| colspan="2" |実装方法に合った部品形態にする。
 
取り付け方法:手挿し/自動実装(SMD/ラジアル)
 
  
半田付け方法:フロー(wave)/リフロー
+
ElecrowのWEB経由の発注の場合、レジストの色は指定できても、
|実装業者と相談の上で、工程をイメージして部品を手配する。
 
・Elecrowは標準でストックしている部品はない。
 
  
 P板/Seeedはある程度のSMD部品を標準的に在庫している。
+
シルクの色を指定する蘭がないとか、細かい問題もあります。
|-
 
!Posion出力
 
| colspan="3" |Pcbnewで、部品配置ファイルを出力する。
 
  
 +
細かい指示は先にEメールで相談・指示をしてから発注します。
 +
</blockquote>
  
●"ファイル"→"製造用出力"→"部品配置ファイル(.pos)"を開く。
 
  
::[[file:KiCAD-Pcbnew-SavePos.jpg|400px]]
+
=== PCBの製作と実装(PCBA)の両方を依頼する場合 ===
 +
<blockquote>
 +
基板の仕様、BOMを先に決めておき、Eメールで担当者に相談開始です。
  
  
●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定する。
+
担当者からPCBAの見積依頼用EXCELが送られてくると思います。そこに書きこんで返送します。
  
 "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。
+
見積依頼用EXCELの中で注意点は3つあります。
  
 +
1. BOMの中にある"Original"の行で、
  
●他は下図の通りに設定する。
+
 "Y"にするとBOMに指定した物を購入・実装します。
  
::[[file:KiCAD-Pcbnew-Position2.jpg|500px]]
+
 "N"にすると同じSPECの別の物を実装します。在庫を使うイメージです。
  
 +
2.BOMに書いてある品名はDigikey等の独自の品名を付ける業者から買う場合にはその品名を書きます。
  
●ボタン "部品配置ファイルを生成" を押してファイルを出力する。
+
 メーカー指定の品名ではありません。Digi-ReelとかCut Tapeとかを見分ける番号込みの品名です。
  
::{| class="wikitable"
+
 でも、数が多い場合には実装しやすいようにできるだけリールで買うようにしましょう。
|(ファイル名)-bottom-pos.csv 
 
|下面
 
|-
 
|(ファイル名)-top-pos.csv 
 
|上面
 
|}
 
|-
 
!部品表出力
 
| colspan="3" |Pcbnewで、部品配置ファイルを出力する。
 
  
 +
3.部品の購入先/購入数/購入形態(Cut Tapeとか)/データシートへのリンクを書く蘭がEXCEL内にない
  
●"ファイル"→"製造用出力"→"部品表..."を開き、保存する。
+
 と思うので、BOMの右に追加した方が親切です。いずれ知らせないといけないので。
  
::[[file:KiCAD-Pcbnew-SavePartslist.jpg|400px]]
 
  
::{| class="wikitable"
+
部品の発送か購入依頼か、実装スケジュール、想定している実装方法、完成品の発送方法等の詳細を決めたら
|(ファイル名).csv 
 
|}
 
  
●部品表(~.csv)はそのままではExcelで開けないため、変換する。
+
担当者から見積書(EXCEL)と振込額の指示、支払い画面へのリンクと支払い方法の資料が送られてくるので、
  
①区切りコード: ";" → ","
+
そこで支払い処理をします。
  
②文字コード : UTF8 → SHIFT-JIS
 
  
 別の名前で保存し、EXCELで開けるようにしておく。
 
  
 ※このファイル自体は送らない。
+
支払い処理をするのはおそらく次のURLになると思います。
  
 +
https://www.elecrow.com/pcb-assembly.html
  
|-
+
PCBを1枚として金額に相当する額になる枚数を入力するという独特な形式です。
! rowspan="8" |見積依頼xlsx作成
 
| colspan="3" |●見積依頼テンプレート(<small>[https://www.elecrow.com/download/Assembly/Template-for-PCBA-Quotation.xlsx Template-for-PCBA-Quotation.xlsx]</small>)の内容を順に描き込む。
 
  
|-
+
整数しか入力できませんが、少数部分を丸め込んだ金額が担当者から指定されると思います。
|PCB
 
Specification
 
|1行目は実装枚数、それ以外は試作したPCBのSPECです。
 
Elecrowで試作したらわかっているはずですが、再度記入します。
 
  
 +
"ADD TO CART" をクリックすると、カートに入ります。次にカートをクリックします。
  
[[file:KiCAD-Pcbnew-Quotation1.jpg|400px]]
+
[[file:PCB製造 Elecrow OrderForm7.jpg|697px]]
|
 
{| class="wikitable"
 
|PCB  Quantity
 
|実装する枚数
 
|-
 
|Layer
 
|PCBの層数
 
|-
 
|PCB Thickness
 
|PCBの厚さ
 
|-
 
|Dimensions
 
|PCBの外形寸法
 
|-
 
|Castellated  Hole
 
|PCBの基板端の端面スルーホールの有無
 
有り:Yes/無し:No
 
|-
 
|PCB Color
 
|PCBのレジストの色
 
|-
 
|Surface Finish
 
|PCB製造時の表面処理
 
 HASL      有鉛半田レベラー
 
  
 HASL Lead Free 鉛フリー半田レベラー
+
カートの "Summary" 部分に"v"というのがあるのでクリックすると詳細入力画面が出てきます。
  
 Immersion gold [https://www.netjpc.com/product/glossary.html 無電解ニッケル/置換金メッキ]
+
Country(Japan),State(~-ken),Zip(郵便番号),Free Shippoing(見積額に送料が含まれている場合)を選択して、
  
 OSP       有機はんだ付け性保存剤
+
「GO TO CHECKOUT」をクリックして支払い画面へ移り、支払い処理をして完了です。
|-
 
|Copper Weight
 
|PCBの銅箔厚
 
1oz t≒35μm
 
  
2oz t≒70μm
+
[[file:PCB製造 Elecrow OrderForm9.jpg|805px]]
|-
+
</blockquote>
|Text Color
 
|PCBのシルクの色
 
|-
 
|Different  Design
 
|実装時の1枚のPCBの中にある割基板の枚数
 
|}
 
|-
 
| rowspan="4" |BOM
 
| rowspan="4" |[[file:KiCAD-Pcbnew-Quotation2.jpg|400px]]
 
{| class="wikitable"
 
|#
 
|通し番号
 
|-
 
|Reference
 
|回路図中のReference
 
|-
 
|QTY
 
|使用数
 
|-
 
|Value
 
|定数(回路図記載の値)
 
|-
 
|Package
 
|パッケージ名
 
(FootPrintでいいかも?)
 
|-
 
|Manufacturer  Part Number
 
|メーカーの部品番号
 
(右の説明参照)
 
|-
 
|Description
 
|部品の種類:Capacitors/Resistors/LED等
 
|-
 
|SMD
 
|表面実装デバイスの数
 
|-
 
|THT
 
|スルーホール実装デバイスの数
 
|-
 
|Original
 
|部品名が販売店独自かどうか
 
独自の名前の場合、(DigiKey等):Y
 
|-
 
|Note
 
|実装上の補足事項
 
|}
 
  
|'''データの取り込み方のコツ'''
 
  
●回路図エディターでシンボルフィールドディタ―を表示
+
</blockquote>
  
:[[file:KiCAD-Pcbnew-Quotation2-1a.jpg|400px]]
+
=== その他、注意点 ===
 +
<blockquote>
 +
==== 見積有効期限 ====
 +
<blockquote>
 +
Elecrowの実装を含んだの見積有効期限は2日しかありません。為替変動の影響が大きいのでしょうがないです。
  
 +
見積を取得した日の翌々営業日までに支払い手続きを完了させる必要があります。
  
●定数でグループ化した表を コピー("CTRL"+"A"、"CTRL"+"C" )
+
このスピード感に追従可能なのは Paypal 経由 又は クレジットカードで直接 のどちらかでしょう。
:[[file:KiCAD-Pcbnew-Quotation2-1b.jpg|300px]]
 
 BOMにペースト("CTRL"+"V")とやると、ほぼできあがります。
 
|-
 
|'''部品番号'''
 
  
DigiKey/Mouserのように、独自の独自の部品番号を付けている場合には、
+
一応WiseもSPEC的には翌日振込可能となっていますが、実際にはElecrowへの送金で3日程度かかっているようです。
 +
</blockquote>
  
BOMの最後に赤字で記載してあるように、
+
==== 支払い方法 ====
 +
<blockquote>
 +
海外送金になるため、マネーロンダリング対策で壁が多くなっています。
  
部品名の蘭にはメーカーの部品番号ではなく、購入店の部品番号を記載し、
+
カード直で支払いしようとしても、海外だと自動で拒絶される事があります。
  
"Original"の蘭に"Y"を記入します。
+
Paypalは初めて海外取引をする場合や、久々に海外取引をする場合には身分証の提示を要求される事があります。
  
 +
PaypalがOKでもカード会社経由になるため、カード会社が自動判断で止める事があります。金額や振込先などの々な条件による自動判断です。
  
例えばDigiKeyから仕入れる場合、"Digikey Part Number" を記入します。
+
楽天等の銀行からの振込の場合、振込先企業の支払い履歴がなければ企業の調査で2週間程度待たされる事があります。
  
[[file:KiCAD-Pcbnew-Quotation2-2.jpg|400px]]
+
Wiseであれば既にElecrowへの支払い履歴があるため審査は短いと思います。
|-
 
|
 
|-
 
|
 
|-
 
|Parts
 
Mapping
 
|[[file:KiCAD-Pcbnew-Quotation3.jpg|400px]]
 
|PCB上の部品の位置情報の絵を下記手段で作り、貼り付けます。
 
  
①Pcbnewで印刷ボタンを押す
+
カード会社による自動ブロックを解除するには、カード裏に書かれている問い合わせ電話番号に電話して相談するのが確実です。
  
②"含まれるレイヤー"で、F.Paste/F.Silkscreen/Edge.Cutsに
+
こういった余計な時間を要する事があるので、1週間程度は期間の余裕を見る事をお勧めします。
  
 チェックを入れて、"印刷"を押す。
 
  
③プリンターの選択で"Microoft Print to PDF"を選び、
 
  
 "印刷"を押す。
+
Paypalはクレジットカードを登録しただけでは支払い処理ができません。予めカードの有効化をしておく必要があります。
  
④保存したPDFをAcrobat DCで開き、
+
かなり時間のかかる面倒な手続きになる事があるため要注意です。
  
  "名前を付けて保存"
+
・個人の場合、引き落とし限度額がデフォルトで10万円になっているので、それ以上の場合には手続きが必要です。
  
  "別のフォルダーを選択..."
+
・法人の場合、銀行からの引き落としはできません。カードが有効化されている事が必要です。
  
  ファイルの種類で画像形式(jpg等)を選んで保存
+
・カードを有効化するには、カードを登録した後で有効化の依頼をすると200円をPaypalが引き出し、
  
⑤画像から不要なデータ(シルク,VIA)を消す
+
 その明細にコードが書かれるので、そのコードを使ってアクティベートします。200円は後で戻ってきます。
|-
 
|Position
 
File
 
|[[file:KiCAD-Pcbnew-Quotation4.jpg|400px]]
 
|部品配置ファイル(~top-pos.csv / ~bottom-pos.csv)の中の
 
  
情報をコピーします。
+
 しかしこのコードが送られてきても、その次の支払い額の確定日までカード明細上に表示されない事があり、
  
 +
 その場合、最長1か月待たされます。
  
※Templateでは"Rotation"が 90~360 度になっていますが、
+
 カード裏に書かれている問い合わせ電話番号に電話してコードだけを教えてもらえる事もあります。
  
 KiCADが出力する角度そのままで
 
  
も問題ないと思います。
+
</blockquote>
|-
+
</blockquote>
!発送
 
| colspan="3" |PCB発注時にここまでの資料ができあがっていれば、発注する時のページから資料を送れると思います。
 
そうでなくても、実装業者(Elecrow)に直接連絡して相談してからメールで発送すれば問題ないと思います。
 
  
  
見積依頼の段階なので、まだ金額も作業の可否もスケジュールも未定という事を承知しておく必要があります。
+
----
|}
+
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2024年1月16日 (火) 22:57時点における最新版

基板製造用データは、次の2種類があります。

 ・PCBを作るための資料

 ・実装依頼するための資料

ここでは KiCAD Ver6.0.5 を使用してPCBを作る所までを記載しています。

実装依頼するための資料はコチラ


予め回路図エディタ(Eeschema)で回路図を描き、PCBエディター(Pcbnew)でPCBパターンの設計が完了した状態で

下記方法でデータを作り、基板メーカー(Elecow)に発送します。


PCB製造用データ出力

KiCAD Ver6.0.5のでPCBエディター(Pcbnew)で作ったデータを元に Elecrow にPCB製造を依頼する資料を作るためには以下のようにします。


PCB製造用データの出力方法

Gerber出力

●PCBエディター(Pcbnew)を起動して完成しているPCBパターンデータを開きます。
●"ファイル"→"製造用出力"→"ガーバー(.gbr)"を開く。
KiCAD-Pcbnew-SaveGerber.jpg
●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定します。
 "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。
●レイヤーは必要な個所にチェック。
●他は下図の通りに設定します。  
※"ビアのテンティングを禁止"をチェックするとVIA直上のレジストがなくなります。
KiCAD-Pcbnew-Gerber1.jpg
●ボタン "製造ファイル出力" をクリック:全レイヤの "~.gbr" が出力されます。
(ファイル名)-B_Cu.gbl

(ファイル名)-B_Mask.gbs  

(ファイル名)-B_Paste.gbp

(ファイル名)-B_Silkscreen.gbo  

裏面
(ファイル名)-F_Cu.gtl

(ファイル名)-F_Mask.gts  

(ファイル名)-F_Paste.gtp

(ファイル名)-F_Silkscreen.gto

表面
(ファイル名)-B_Edge_Cuts.gml 外形
(ファイル名)-job.gbrjob   不要


●ボタン "ドリルファイルを生成" をクリック:次の画面へ移動します。

Drill出力

●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定します。
 "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。


●他は下図の通りに設定します。
KiCAD-Pcbnew-drill.jpg
●ボタン "ドリルファイルを生成"をクリック:ドリル座標データが出力されます。
(ファイル名).drl ドリル座標データ
GrebViewで確認できます。
●ボタン "マップファイルを生成"をクリック:マップファイル "~drl_map.gbr" が出力されます。
(ファイル名)-drl_map.gbr マップファイル (配置を可視化したもの)
GrebViewで確認できます。
※ボタン "レポートファイルを生成"で出力されるファイルは提出する資料ではありません。


Map出力

●"ファイル"→"製造用出力"→"部品配置ファイル(.pos)"を開く。
KiCAD-Pcbnew-SaveMap.jpg
●"出力ディレクトリ"は任意の場所を設定します。
 "~相対パスを使用しますか?"の小ウィンドウが出るので "はい(Y)" をクリック。
●他は上図の通りに設定します。  
●ボタン "部品配置ファイルを生成" をクリック:"~.map" が出力されます。


リネーム

●ファイル名を実装業者指定の仕様に書き換える。

変更前:KiCAD出力ファイル名 変更後:Elecrow指定ファイル名
(ファイル名)-B_Cu.gbl

(ファイル名)-B_Mask.gbs  

(ファイル名)-B_Paste.gbp

(ファイル名)-B_Silkscreen.gbo  

(ファイル名)-B_Edge_Cuts.gml  

(ファイル名)-F_Cu.gtl

(ファイル名)-F_Mask.gts  

(ファイル名)-F_Paste.gtp

(ファイル名)-F_Silkscreen.gto  

(ファイル名).drl

(ファイル名)-drl_map.gbr

(ファイル名).gbl

(ファイル名).gbs  

(ファイル名).gbp

(ファイル名).gbo  

(ファイル名).gml  

(ファイル名).gtl

(ファイル名).gts  

(ファイル名).gtp

(ファイル名).gto  

(ファイル名).drl

(ファイル名).txt

拡張子の意味
※~.g**:Gerber
※~.*b*:下面(bottom layer)
※~.*t*:上面(top layer)
※~.**l:銅箔
※~.**s:マスク(レジスト)
※~.**p:半田ペースト(メタルマスク、ステンシル)
※~.**o:シルク
※~.gbr :ドリル |}


上記ファイルを全てまとめてzipで圧縮します。

PCB製造用データの送信(発注)

PCB製造のみ依頼する場合、PCB製造依頼のWEBページから製作依頼をします。

https://www.elecrow.com/pcb-manufacturing.html?l=jp

その時にZIPファイルを添付できます。


PCBの製作だけを依頼する場合

一般的な条件では下記のような入力内容になると思います。最初のボタン「ガーバーファイルを提供」でZIPを登録します。

PCB製造 Elecrow OrderForm2.jpg

全部入力できたら右側にある "Add To Cart" でカートに入れます。ここの段階ではまだ発注されていません。

ユーザー登録が済んでない場合にはここでユーザー登録の画面に移ってユーザー登録をします。


PCB製造 Elecrow OrderForm4.jpg

ユーザ―登録済の場合、ここでログインします。→ID,Passを入力して "SIGN IN"

未登録の場合、ここで登録します。→"CREATE AN ACCOUNT"

PCB製造 Elecrow OrderForm5.jpg


ユーザー登録の画面です。名前・Email・passwordを入力し、"私はロボットではありません"にチェックを入れたら

"CREATE AN ACCOUNT" をクリックしてユーザー登録は完了なので、ログインして次の作業に移ります。

PCB製造 Elecrow OrderForm6.jpg


ログインできたら、カートの中身を確認して "Go To Checkout" で発注へ進みます。

PCB製造 Elecrow OrderForm3.jpg

この後はPaypal/クレジットカード/銀行振り込みの中から送金方法を選んで手続きをして完了です。


ElecrowのWEB経由の発注の場合、レジストの色は指定できても、

シルクの色を指定する蘭がないとか、細かい問題もあります。

細かい指示は先にEメールで相談・指示をしてから発注します。


PCBの製作と実装(PCBA)の両方を依頼する場合

基板の仕様、BOMを先に決めておき、Eメールで担当者に相談開始です。


担当者からPCBAの見積依頼用EXCELが送られてくると思います。そこに書きこんで返送します。

見積依頼用EXCELの中で注意点は3つあります。

1. BOMの中にある"Original"の行で、

 "Y"にするとBOMに指定した物を購入・実装します。

 "N"にすると同じSPECの別の物を実装します。在庫を使うイメージです。

2.BOMに書いてある品名はDigikey等の独自の品名を付ける業者から買う場合にはその品名を書きます。

 メーカー指定の品名ではありません。Digi-ReelとかCut Tapeとかを見分ける番号込みの品名です。

 でも、数が多い場合には実装しやすいようにできるだけリールで買うようにしましょう。

3.部品の購入先/購入数/購入形態(Cut Tapeとか)/データシートへのリンクを書く蘭がEXCEL内にない

 と思うので、BOMの右に追加した方が親切です。いずれ知らせないといけないので。


部品の発送か購入依頼か、実装スケジュール、想定している実装方法、完成品の発送方法等の詳細を決めたら

担当者から見積書(EXCEL)と振込額の指示、支払い画面へのリンクと支払い方法の資料が送られてくるので、

そこで支払い処理をします。


支払い処理をするのはおそらく次のURLになると思います。

https://www.elecrow.com/pcb-assembly.html

PCBを1枚として金額に相当する額になる枚数を入力するという独特な形式です。

整数しか入力できませんが、少数部分を丸め込んだ金額が担当者から指定されると思います。

"ADD TO CART" をクリックすると、カートに入ります。次にカートをクリックします。

PCB製造 Elecrow OrderForm7.jpg

カートの "Summary" 部分に"v"というのがあるのでクリックすると詳細入力画面が出てきます。

Country(Japan),State(~-ken),Zip(郵便番号),Free Shippoing(見積額に送料が含まれている場合)を選択して、

「GO TO CHECKOUT」をクリックして支払い画面へ移り、支払い処理をして完了です。

PCB製造 Elecrow OrderForm9.jpg


その他、注意点

見積有効期限

Elecrowの実装を含んだの見積有効期限は2日しかありません。為替変動の影響が大きいのでしょうがないです。

見積を取得した日の翌々営業日までに支払い手続きを完了させる必要があります。

このスピード感に追従可能なのは Paypal 経由 又は クレジットカードで直接 のどちらかでしょう。

一応WiseもSPEC的には翌日振込可能となっていますが、実際にはElecrowへの送金で3日程度かかっているようです。

支払い方法

海外送金になるため、マネーロンダリング対策で壁が多くなっています。

カード直で支払いしようとしても、海外だと自動で拒絶される事があります。

Paypalは初めて海外取引をする場合や、久々に海外取引をする場合には身分証の提示を要求される事があります。

PaypalがOKでもカード会社経由になるため、カード会社が自動判断で止める事があります。金額や振込先などの々な条件による自動判断です。

楽天等の銀行からの振込の場合、振込先企業の支払い履歴がなければ企業の調査で2週間程度待たされる事があります。

Wiseであれば既にElecrowへの支払い履歴があるため審査は短いと思います。

カード会社による自動ブロックを解除するには、カード裏に書かれている問い合わせ電話番号に電話して相談するのが確実です。

こういった余計な時間を要する事があるので、1週間程度は期間の余裕を見る事をお勧めします。


Paypalはクレジットカードを登録しただけでは支払い処理ができません。予めカードの有効化をしておく必要があります。

かなり時間のかかる面倒な手続きになる事があるため要注意です。

・個人の場合、引き落とし限度額がデフォルトで10万円になっているので、それ以上の場合には手続きが必要です。

・法人の場合、銀行からの引き落としはできません。カードが有効化されている事が必要です。

・カードを有効化するには、カードを登録した後で有効化の依頼をすると200円をPaypalが引き出し、

 その明細にコードが書かれるので、そのコードを使ってアクティベートします。200円は後で戻ってきます。

 しかしこのコードが送られてきても、その次の支払い額の確定日までカード明細上に表示されない事があり、

 その場合、最長1か月待たされます。

 カード裏に書かれている問い合わせ電話番号に電話してコードだけを教えてもらえる事もあります。




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